Cashmere カシミア
カシミア(cashmere)とは、カシミアヤギ(山羊)から取れた毛または毛織物のこと。インドの北部高山地帯のカシミール(Kashmir)地方の古い呼び名に由来します。毛質は細く、柔軟で独特のぬめりがある。保温性と保湿性に優れ、生産量が少ないため、高級素材の代表とされる。消費者庁家庭用品品質表示法の表記はカシミヤ。毛が細く密度が高いが軽く、暖かく、上品な光沢もあり、肌触りが良いとされ、その高価さもあいまって「繊維の宝石」とも呼ばれる。元の色はホワイトカシミア、グレーカシミア、ブラウンカシミアがある。品質は、毛の細さ、白さ、長さが基準となる。細いほどしなやかな光沢がでて、肌ざわりも柔らかくなる。白ければ漂白が不要で痛みが少なく、染色も綺麗にできる。毛が長いと、紡績中にほどけて糸が切れたり、抜け毛で毛玉になるのを防ぐことができます。
Chinchilla チンチラ
動物界脊索動物門哺乳綱ネズミ目(齧歯類)チンチラ科チンチラ属に分類される体長25-26センチメートル。尾はふさ状で体形はリスに似るが、目と耳は大きく、四肢は短い。草食性。
体毛は青灰色で柔らかく、毛皮は絹糸のように滑らか、最高級品の一つ。南アメリカのアンデスの高山地帯に分布。毛皮用に家畜化も行われています。
Down ダウン
ダウンジャケットとは、ダウンフェザー(羽根毛、羽毛、日本語通称:ダウン、英語:down feather)を詰め物として使った、ジャンパー・スタイルの防寒着のこと。
ナイロン素材の生地をキルティング加工し、内部にダウンフェザーを詰める。ダウンフェザーの特徴である保温性に加え、体から出る汗を放出する特徴があるため、極寒地での作業服などとして用いられ、軽量性も利点とされている。
日本では1980年代に、アメリカ空軍パイロットの防寒着をモチーフとした衣料がヒット商品となり広く普及。最近ではタウン着としても広く愛用され、イタリアの DUVETICA やフランスの MONCLER などの高級素材を使ったプレミアム・ダウンウェアが人気となっている。これらのブランドはダウンフェザーのなかでも最高級とされるグレイグース(英語名:Grey goose)のものを用いている。
クリーニングはもとより、家庭用洗濯機でも洗濯できる素材が増えてきたとは言え、基本的には洗わずに着通すものであり、汚れないよう注意して着用することが基本的な使用方法である。
Fitch フィッチ
野生のイタチの一種で、アメリカンスカンクの類種。毛色は白~褐色までさまざま。ロシアンセーブルやミンクと同じイタチ科の仲間のフィッチ。毛足はやや長めで、肩や背中に入っている褐色のキャラクターと、薄色の綿毛とのコントラストが美しいのが特徴的。
ミンクやセーブルと同様、毛も皮も丈夫で、毛抜けや毛切れはほとんどなく、皮も耐久性に優れています。毛質はやや硬めで滑らかさを欠いており、しかしそれがワイルド感を醸し出す要因ともなっています。
Fox フォックス
ミンクと共に人気の高いフォックスは野生種として、赤ギツネ、北極ギツネ、灰色ギツネなどがあります。
毛皮製品として利用されているのは圧倒的に養殖ギツネで、その80%は北欧で生産されています。
一般的に、キツネの体格は、オオカミ、ジャッカル、犬など、イヌ科の他のメンバーよりも小型である。
平均的なオスのキツネの体重は、5.9Kg、メスはそれより軽い5.2Kg。俗に言うキツネ顔で、ふさふさした尾を持つ。
典型的なアカギツネの毛色は、赤褐色で、通常尾の先は白い。イヌ科には珍しく、群れず、小さな家族単位で生活し
特にネズミなどのげっ歯類を捕まえて食べる。生後1年も満たないで捕獲訓練をマスターし、獲物を捕らえるようになる。
キツネはバッタから果物や木の実まで様々なものを食べる雑食性である。
■シルバーフォックス 毛皮の色が全体的にシルバーブラックで、銀色に輝く上毛が背中に沢山生え、尾の先が白色をしています。レッドフォックスの突然変異で、80年ほど前から養殖が行なわれています。自然食で使われます。
■プラチナフォックス シルバーフォックスを改良して生まれた養殖フォックス。色は白か、薄灰色で先が白く、綿毛はブルーグレイです。
■ブルーフォックス フォックスの中で最も生産量が多く、ほとんどが養殖。全体にブルーがかったグレイで綿毛が密生しているため、ソフトでもっこリした感じです。自然食の他、染色もされます。
■レッドフォックス 一般的にはオレンジ系の色ですが、カムチャッカ産のものが赤みが濃く、ファイヤーフォックスと呼ばれ、最高級品です。その他、北米産のものの内、アラスカ産とカナダ産に質の良い物があります。
■ホワイトフォックス 元々は北極産の野生種ですが、養殖もされています。色は純白もしくはクリーム色、自然色の他、染色にも用いられます。
Lamb ラム
生後1年以内の子羊を指しますが、その種類は下記に分類されます。
■チキャンラム 中国産のラム。毛は、緩やかなウエーブ状でシルキー。大半が白色のため、染色が容易で非常に多くの色を正確に表現することが可能。
■チベットラム チベット産のラム。毛の短いモンゴリアンラムの変種で、毛足は非常に長く、カールした綿毛が特徴。もともと錦綿羊(にしきめんよう)はヤギの毛皮を加工したものだが、チベットラムを代用したため、日本では錦綿羊ともいう。染色して使用されることが多い。
Leopard レオパード
体長は約100-190cm。尾長は約70-95cm。体重30-70kg。全身は柔らかい体毛で密に被われる。背面や体側面には黒い斑点が花のように並ぶ斑紋が入ります。サバンナや熱帯雨林、半砂漠など様々な環境に生息する夜行性。群れを形成せず単独で生活する。アメリカ、インド、中国、アフリカなどに生息する、獰猛なネコ科の動物。毛皮は、全体の毛が黄色がかり、背中を中心に不規則な黒く丸い、輪形もしくは中の抜けた楕円形の模様があります。斑点が鮮明で美しく、毛足が短く密で、光沢があり、しなやかでシルキーな感触です。毛皮ファンなら一度は着てみたい憧れの毛皮です。
Linx リンクス
オオヤマネコ/リンクス lynx の名は、「光」を意味するギリシャ語に由来。オオヤマネコ属には、ヨーロッパオオヤマネコのほか、カナダオオヤマネコ Lynx canadensis 、スペインオオヤマネコ Lynx pardinus 、ボブキャット Lynx rufus の3種が属する。長毛の柔らかい毛は密でシルキー。背の部分は淡い褐色に暗褐色の斑点模様があります。腹部は白く、暗褐色が鮮明で美しいシルエットとなっており、大半の毛皮とは異なり、リンクスだけは腹部の方がその美しさのために価値が高くて重用されてます。
体長は約85-115センチ。尾は短い。アメリカに生息するカナダオオヤマネコは平均12キロ、ユーラシアに生息するヨーロッパオオヤマネコは平均22キロと体のサイズに開きがある。
中世キリスト教では、明敏や明智を表すものとして、貴族の紋章にオオヤマネコを用いたものがある。17世紀に設けられた西洋星座のやまねこ座も、明るい星のない星域に「この星座を見るためには誰もがヤマネコのような目を必要とするから」という理由からオオヤマネコがイメージされています。
Mink ミンク
毛皮の女王に君臨する、根強い人気を誇るミンクは、食肉目イタチ科に分類される水陸両生の小動物です。大別すると野生ミンク(ワイルドミンク)と、養殖ミンク(ランチミンク)があります。現在ではそのほとんどが養殖。ミンクの養殖は約90年前にカナダで始まり、1920年代に入るとアメリカや北欧、日本などで本格的な養殖が行なわれるようになりました。品質改善が行なわれていくうちに、突然変異(ミューテーション)でシルバー・ブルーのミンクが誕生。現在では40種類にも及ぶ毛色の養殖ミンクが生み出されています。
オスとメスでは大きさが異なり、オスよりもメスの方が小さいのですが、オスのミンク毛の感触が粗く硬いのに対し、メスはミンク毛が細く密で滑らかなのが特徴。その為、高級なミンクコートはメスのミンクを使用し、より多くの皮を必要とするので高額なのです。
Muton ムートン
ムートンとは羊という意味のフランス語。山羊も含めた羊の皮革、その素材でできたアイテムをさします。
英語でいうと、なめしたシープスキンの意味で、ムートンが使われているアイテムを、たんにムートンと呼ぶこともある。
クロムなめし、植物なめしがほどこされた素材で、繊維が粗くコラーゲン繊維も少ないため、若干の伸縮性がある。
コートやジャケット、手袋、靴の裏打などなど、用途も多彩だ。秋冬シーズンの定番になりつつあり、ファー流行に相まって、コートやジャケットの内側にファーを張って防寒性とおしゃれ度アップを兼ね備えている。レザーのようなハードな印象はなく、軽量なことも人気のヒミツ。
Nutria ヌートリア
ヌートリアは、優しい柔らかな肌触りが特徴。「ヌートリア」とはスペイン語でカワウソ(の毛皮)を意味し、原産の南米では本種のことを「Coipo」と呼びます。英名でも「Nutria」より「Coypu」の方が一般的で、かつての日本では、海狸鼠(かいりねずみ)、沼狸(しょうり、ぬまたぬき)などとも呼んだ。ヌートリアは丈夫で育てやすく、柔らかい上質な毛皮が安価に入手できるため、第二次世界大戦ごろには、軍隊の防寒服用として世界各国で飼育された。日本では1939年にフランスから150頭が輸入され、飼育が奨励された。このころは軍隊の「勝利」にかけて「沼狸」(しょうり)と呼ばれ、1944年ごろには、日本全国で4万頭が飼育されていた。
Rabbit ラビット
南欧が原産。家畜化したものが世界各地で見られる。フランス名ラパンも一般的。毛色の種類が多く、それぞれの種類毎に名称が付けられている。代表的なものは、シロウサギ(白色)、チンチラウサギ(灰青色)、ゴマウサギ(灰褐色)、ゴールウサギ(淡褐色、ベージュ色)、クロウサギ(黒色、黒褐色)、ブチウサギ(上記各色の一部分に異なる色が混じっている)。
特殊な種類として刺し毛が退化した綿毛だけのレッキス種や、毛足の長いアンゴラ種がある。刺し毛が柔らかく、折れたり切れたりし易い性質があるが、刈毛処理をすると、その欠点が解消される。耐久性はやや低いが、染色が容易なことに加えて、比較的安価なため利用範囲は広い。
Raccoon ラクーン
セーブルやオポサムと同様、全く別の2種類があり、生産国を付けた呼称が付けられている。アメリカンラクーン・カナディアンラクーンである。
えさを水に浸して食べることから、日本ではアライグマの名称がある。毛色は、緑褐色から黒褐色。やや長い刺し毛と暗褐色の綿毛で保温性、耐久性に優れ、タヌキに似ている。尾にあるリング状の斑紋が特徴で、デビークロケットの帽子に使われたことで有名。
Rex レッキス
ラビットの刺し毛が進化した特殊な種類のレッキスは毛皮用に改良された品種。毛並みの手触りはよく褒め称えられる。ラビット種の中でも高級とされる。
レッキス種の成体は体重2.7~3.7kg。交配品種のミニレッキス種は成体の体重1.6~2.0kgと小柄です。
Sable セーブル
上品なツヤと深々とした格調高い風合いは昔から毛皮の中の最高級品として珍重されています。セーブルはミンクと同じイタチ科の小動物。毛並みはミンクよりも深く、刺毛は平均して4~5センチもあり密集して厚く、シルクのように柔らかいのが特徴。耐久性にも優れ、自然色のまま使われます。上質なツヤと深く格調高い風合いの毛は、毛皮の最高級品として、昔から珍重され、今でも毛皮を着る人々の憧れ的存在です。
その種類は大別すると3種類に分けられ、ロシアンセーブルはサハリン、シベリアに生息し、特にシベリア、カムチャッカ産のものが最高級で最も高価とされています。
カナディアンセーブル(アメリカテン)はハドソンベイセーブルとも呼ばれ、アラスカ南部、カナダ、北米が産地。明るい茶から黒まであります。黄テン(日本テン)は本州、四国、対島、朝鮮でとれ、本州東北産のものは鮮やかな黄色で品質が良く、とても美しい毛皮です。
Squirrel リス
毛皮の業界では、「ロリス」 はまれに、「ロシアリス」 の略称として用いられます。ヨーロッパ産のものとロシア産のものです。毛質は毛が柔らかく緻密。
背中がグレーで腹側が白というのが一般的ですが地域により濃淡の差があります。鮮やかなグレーのものが上質のものとされています。毛皮はそのまま使用されトリミングやライナーに用いられます。とても軽く保温性に優れており、その柔らかな肌触りも人気の理由のひとつです。
Swakala スワカラ
スワカラ(SWAKARA)とは、South-West African Karakul lamb(南西アフリカ産カラクール・ラム)の略称で、カラクール種の改良種で、生後数日間から一週間以内の子牛の毛皮のこと。平らなウエーブした毛並みの子羊の毛皮は通の方ほど好む傾向があります。毛足は短く、独特の波模様をもち、なめらかでシルキーな光沢が特徴である。天然の色は黒が多く、ほかに茶、グレー、白、白のぶちがある。毛足の短いものからガリアック、ウォーター・シルク、シャロー、デベロップド・シャロー、パイプカールの5つのタイプに分けることができます。
Tiger タイガー
トラ(虎、tigris)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)ネコ科ヒョウ属に分類される食肉類。体長は約170-229センチメートル。尾長は約95-119センチメートル。メスよりもオスの方が大型になります。背面の毛衣は黄色や黄褐色で、黒い横縞が入る。縞模様は藪などでは周囲に溶けこみ輪郭を不明瞭にし、獲物に気付かれずに忍び寄ることに適しています。
強い者、豪傑の代名詞としてよく用いられる。中国の小説『三国志演義』では蜀の劉備に仕えた武将のうち武勇に優れた五人を「五虎大将軍」と呼び、特に張飛はその立派な髯(ひげ)を「虎髯」と呼ぶなど勇猛ぶりを虎に喩えられた。
日本でも戦国武将武田信玄や上杉謙信はその武威をそれぞれ「甲斐の虎」「越後の虎」と、虎に喩えられた。近代ではナチス・ドイツの重戦車ティーガーI、ティーガーII、イギリスの巡洋戦艦タイガー、アメリカの戦闘機F-11タイガー、F-5タイガーIIなどが有名です。
Wisel ウィーゼル
中国が産地で、別名チャイナミンクとも呼ばれるウィーゼル。毛質は北から南に下がるにつれて次第に低下します。最高品質のものは江北産とされています。毛はふかふかとしていて厚く、荒い刺毛があり、背中が赤褐色。腹部が黄色または白色で、主にミンクやセーブルに似せて染色し、商品化されています。
日本各地にも生息しており、北海道産のものは高級とされていますが、現在は捕獲禁止となっています。
Wool ウール
ウール (wool)または羅紗(ラシャ)は、羊の毛(羊毛)またはそれを織った布のことをいい動物繊維の一種である。日本では毛織物と呼ばれる。これを人工的に模した合成繊維がアクリル繊維である。一般的には羊毛を指すが、広義ではアンゴラ・アルパカ・ラクダの毛も含まれます。
人類最古の集住遺跡と言われているトルクメニスタンのアナウ遺跡からも飼育されていたと思われる羊の骨などが発見されており、聖書にもベツレヘムの羊飼いが登場することから、昔から飼育されていたことが伺える。